軍艦島アーカイブス

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軍艦島アーカイブス 第5話

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子どもたちの世界

軍艦島アーカイブス第5話ムービー:子どもたちの世界

第5話「子どもたちの世界」

遊び場

軍艦島は閉鎖された空間であり、限られた土地に多くの人々が生活していた。子どもたちにとっても、それは特殊な環境であり、独特の遊びや生活を送っていた。

島内には限られた平地しかなく、公園らしい公園はなかった。子どもたちは、建物の間や屋上、さらには岩盤の上など、あらゆる場所を遊び場にしていた。「日給社宅」の屋上では、子どもたちが土を持ち帰って屋上菜園を作っていた。高台にある端島神社からの眺めは素晴らしく、晴れた日には五島列島の島影も見ることができた。しかし、海は危険なため、海水浴は対岸の野母半島まで行く必要があった。限られた空間でも、子どもたちは工夫を凝らし、遊びを見つけていた。

学校生活

島内には小中学校が併設されていた。生徒たちは、島で生まれ育ち、ほとんどが炭鉱で働く家族とともに生活していた。閉山が決まり島を離れる家族が増えるにつれて、生徒数は徐々に減っていった。残された生徒たちは、転校していく級友たちに手紙を送り、励まし合っていた。先生たちは島の住民と密接に関わり、時には行事にも参加していた。先生の中には島の人と結婚して、島に残った人もいた。

共同体の中で

子どもたちは、島という閉鎖された空間の中で、多くの大人たちに見守られて成長した。島の人々は皆家族同然で、子どもたちは親だけでなく、周りの大人たちからも温かく見守られていた。厳しい環境ではあったが、子どもたちは、温かい共同体の中でかけがえのない日々を過ごしていた。

閉山とその後

閉山後、子どもたちは家族とともに島を離れ、それぞれの道を歩んでいった。しかし軍艦島での生活は、子どもたちの心に深く刻まれ、その後の人生にも大きな影響を与えていることだろう。閉山後に行われた「全国端島会」では、元島民たちが集まり、当時の思い出を語り合った。軍艦島は、子どもたちにとって忘れられない故郷であり、かけがえのない思い出の場所として、今も心の中に生き続けているのだ。軍艦島という特殊な環境で、子どもたちは限られた空間を遊び場に変え、温かい共同体の中で成長した。それは、物質的には豊かではなかったかもしれないが、心の豊かさを感じることができる世界だった。

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